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【明石邦彦のつぶやき】「ついていきたい」は手本になるのか |
2026/10/19 |
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息子がブックオフから買ってきた本を私にいくつか残してくれた。なかでも「ついていきたいとと思われるリーダーになる51の考え方」もその一つだった。経営者が書くにはタイトルが白々しいと思ったので、ベッドの横の方に投げ出しておいた。夏になったので、タオルケットなどの準備をした。そうしたら、ベッドの脇のシーツの下に本があることを発見した。分厚い本ではなかったので、異物とは感じずに寝ていたんだなと思った。さて、この本の著者である岩田さんってどんなキャリアなのかとみてみると日産自動車から始まり、ザ・ボディショップ?やスターバックスの立て直しをやった人だと知った。また、「産業革新機構」に入り、後に経営コンサルタントに転身というキャリアの持ち主であった。日産自動車出身という話となると、合理化のゴーンが去った後、経営がおかしくなっているので、あまり読む気がしなかった。この人の本は30万部売れている本だが、たいした話が掲載されているとは思えないと判断した。日産自動車という言葉から今度は本棚に「積んどく」することになった。また、何か月か過ぎて、本棚の整理したところ読んでいない本が置いてあるのを発見した。「そうだ日産自動車の人の本だ」と記憶がよみがえった。まあ折角の機会だから読んでみようかという気になった。心の中ではリーダーになるための決まりきった教訓をまとめているようにも思えたから積読した経緯がある。でも、なんだか題名の中身から判断すると今のあおぞら共生会の職員に役に立つのではと考えた。もしかしたら職員レベルの教育本として役に立つのではと再考した。私自身もあきれるくらいの傲慢な態度(期待できそうもない本と考えた)で臨んだ本であった。
第1章から読み始めるとくすぐったい言葉が並んでいた。例えば、「頑張れば、周りの人が押し上げてくれる」「努力すれば必ず報われる」「地位は権力ではなく、責任である」「リーダーに問われるのは部下に如何に働いてもらうかである」「部下は上司の人間性を見ている」「リーダーの発すべきことはミッション」などである。上司になる人にとっては痛い言葉として「部下は3日で上司を見極める」とある。「そうなんだ」と改めて反省する場面もあった。そして、だんだんと本に引き込まれていく自分を感じた。逆に「結果は半年で出す。異動の3か月でその部署のおよその概要をつかみ、後の3か月で実践に移す」とある。翻って私の味の素時代を考えてみた。自分が異動を命じられた時はこの部署の問題は何であるかをあらかじめ考えて異動した。3か月程度で結果を出してきたようにも思っている。会社生活ではこんな考えで仕事をするのが当たり前だと思っていたが、福祉の世界に飛び込んでみると動きにスピード感がないなと思った。常に利用者の状況を表に出して判断・決定を先延ばしにするからである。「まだまだ決めるの早いのではないでしょうか?もう少し様子を見てみましょう。(結果、手遅れとなる)」と。この個所は私の代わりに著者が言ってくれているようにも思えた。また、読み進めていくと「会議は若い人から順に発表し、リーダーは最後に」とある。これも実行していたように思う。そして、「自尊心を傷つけないような叱り方をする」という教訓は若い時はなかなか実践することが出来なかったように思う。私の性格が素直というか、せっかちというか、早く結果を求めたいという気持ちが強かったように思う。そのような習慣というか、性癖だったので、部下や上司の問題点を厳しく指摘し、目標に最短で辿り着くようにすることが良いと思っていた。部下にも私のペースで時間の積み上げを要求したものである。何故なら研究の成果を出す上では悠長にはできないと思っていた。しかし、40歳を過ぎると「褒める」ことの大切さを学ばされた。プロジェクト長になり、組織を動かす上では緩急をつけた言葉と行動が必要だったからである。社会福祉法人に移ってきて、理事長として長く活動したので、人間関係の大切さを強く実感していた。そこで、人間関係の大切さを知るために昔勉強したカーネギーの本を参考にしたいと思った。「人を動かす(カーネギー著)」ためにはどのような考え方で接するべきなのかを学んでもらうために啓発本として彼の本を選定した。そして、この本を60冊ほどポケットマネーで購入し全員に謹呈した。「人間関係の原則」を職員の方に学んでいただいて職場の雰囲気を少しでも良い方向に変えていただこうとしたものだ。これはなかなか目立った成果を上げることはできなかったと思っている。職員の皆さんは本を読むのは嫌いなのかと思ったりした。でも、この本は私の職場の机の脇に置いてあり、時々「この問題に対応するときの心構えはどうすべきか」と読み返すことは多い。また、仕事を頼むときは仕事の意味を理解してもらうことは大切であり、部門の管理者はどこまで考えてWHYを伝えているのかという疑問を感じることもある。そのための教訓として、「ことが起きたときには『事実と判断』を混同しない」ことが大切である。この問題は「それが事実か」、それとも「部下の判断」で言われているのかの区別する必要があると言っている。このようなことは何度も経験したので、身に染みついている。「事実」と「判断」の言葉も実際に事件に遭遇して、難局を乗り越えた経験がなければ吐けない言葉だ。最近では、「部下の決断する力が伸びていない」ことを実感する。福祉の世界では先延ばしが多すぎて、上司の決断を仰ぐような態度になるケースがある。そのような時は「何をしているんだ」と怒鳴りたくもなる。「トップダウンというよりはボトムアップだ。あなたの考え方は?」と言いたくなる場面がたくさんある。そのため、「部下の意思決定力を鍛える」との言葉を強く意識するようにもなった。最初は「何だ。この本は!」と思っていたが、怒りと反省が入り混じった気持ちで、読むにつれてボルテージが上がるようになった。多読家でもなくてもよいの所は「本は自分のお金で買い、積読が大切」と記されている。私はこの本を長い間積読していたので、ドキッとさせられた。いずれにしても上に立つものは徳を高めるというか「人間性を高めて処する」ことの大事さが強調されているように思えた。この人の座右の銘はカモメのジョナサンを書いたリチャード・バックだそうだ。その言葉は「大変だったが、しかし、素晴らしいと言える人生を送りたい」だそうだ。自分ながら「そうだよなあ。臨終の言葉として『皆さんありがとう。この世で良い経験をさせていただき、勉強になった。感謝です』と言いたいよね」と改めて思った。冒頭で書いたように筆者は「産業革新機構」(官庁と民間で金を集めて作った会社:官民ファンド)で働いたように記されている。この株式会社は後に「産業革新投資機構」という組織に名前を変えて存続している組織だ。当時の新聞紙上ではトップになる人が「自分の報酬を思うに、これでは少なすぎる。一億円以上の給与が欲しい」と要求して、味噌をつけた会社だなあと思った。その時、岩田さん本人の眼にはどう映ったのかを聞きたく思った。私は官僚に投資のセンスがあると思えないから「何!馬鹿をこいているのか」と不信感と怒りでワラワラとしたものだ。
さてさて、改めてこの本にはリーダーに立つための基本のスタンスは記されているように思った。法人の職員には役に立つのではと思って、この本を読み切った。
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