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【明石邦彦のつぶやき】意思決定支援の真髄に触れて、成長してほしい |
2026/9/16 |
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意思決定支援が厚労省のガイドライン(2017.3.31)として発表された。それに基づいて意思決定支援には意思形成支援と意思表出支援が前提にあると教えられらた。西宮市の清水さん(西宮市福祉協議会常務理事)の講演から西宮市の取り組み例をお聞きし、何となく納得がいった。しかしながら、凡人である私は少し考えてみる必要がありそうだと思った。清水さんの講演内容から意思決定支援とは難解な対応になりそうだなと感じられた。特に、次のような発言がピンとこなかった。「意思決定支援は生活のあらゆる場面での支援であり、障害者が保護の客体から権利の主体へと生き方の転換を図るための支援である。」と話された。当初、言葉で「客体」と「主体」と聞いても何だろうと思ってしまった。文字にして書いてみると①保護の客体:障害者は受け身の態度、②権利の主体:障害者の生き方をかえるための積極的な態度、と理解できそうだ。この2つの言葉の意味をじっくり考えて見ると「障害者が臆することなく、自分の判断で、自分の意見を言い、また、自分の望む方向で生活することである」と理解するようにした。
さらに、国連からも大規模な施設から地域(小さなGH)で生活するようにとの指導がなされ、また、パターナリズムの考え方の反省を求められていた時期でもあった。特に、「私たちのことを、私たち抜きに決めないで!(Nothing About Us Without Us)」というフレーズに象徴されるように、インパクトがある表現で意思決定支援が紹介された。このような表現がなされると意思決定支援ガイドラインをついつい難しく考えがちである。また、私たちは頭の中では意思決定支援という言葉を理解していても、実際の場面で文言通りの意思決定支援を行っているかをチェックすることは必要だ。周りの人はそのような考え方で日々の利用者支援を行っていると私たちは思っている。しかしながら、利用者が「こうしたい」と一時的に強く主張すれば、「何だかおかしいな」と思いながらも愚行権を尊重するあまり、ついつい利用者の勢いに流されてしまうケースもあると思われる。「本人の希望だから」と頭でっかちの解釈をして、その方向性で意思決定を済ませがちだ。しかし、本人の要望が何のためなのかをしっかり把握していないと、無駄なお金や時間の浪費に終わってしまうこともあるのではと思っている。本人の意思確認にはいろいろな角度から問いかけて決める必要があると考える。
最近、利用者の要望によって一眼レフの立派なカメラを購入した件が話題となっていた。私はこの話を聞いて、利用者はこのようなカメラを使いこなして、何を撮るのかしらと思った。案の定、購入した利用者はシャッターも押せなく、撮影した画面も見ることが出来ないと周りが騒いでいる場面に遭遇した。また、本人はシャッターの押し方を教えられ、列車等を写すために出かけているが、写した画面をまだ見れないようである。そうなると本人はどのような意図をもって出かけて、写真を撮っているのだろうと不思議に思った。そのうち、私が「これはおかしいのでは?」とクレームを出したために、調査が行われた。本人がおっしゃるには「このカメラは重いので、お出かけの時は持っていかない」、「高価なカメラなので、机の上に飾っておきたい」、「使いやすいカメラを新しく購入する」ということも伝え聞いた。そのような話を聞くと、「この結果は本人のための意思決定支援なのか」と不思議に思った。意思決定をする場の論議(本人の意思を引き出すこと)が十分になされていないのではと思った。何かがおかしいのではないかと思い、権利擁護を目的とした団体(かわけん)と法人側(あおぞら共生会)の人たちにこの件をアピールしてみた。何故なら、本人の性格・趣味、理解力等からどのようなカメラが良いのか検討されていないのではと思ったからである。本人が親から受け継いだ遺産がどれくらいの金額かは知らないが、高価な買い物(30万円を超える)をするときにはそれなりの議論をして決めるべきと思った。遺産がたくさんあるから高いものを買っても問題ないではないかという考え方には同意できない。高額なカメラを購入した経過を後から検証する必要がありそうだ。
そこで、このようなケースで、意思決定支援をするにはどのように進めるべきかをAIに聞いてみた。AIを使って物事を判断するのは初めてなので、私は少なからず興奮した。
調べてみると意思決定支援をするためのポイントや順序など、いくつもの例がでてきた。
例えば、A案:①本人の意思・価値観・生活を最優先する。②十分で、わかりやすい情報提供を行う。③強要・誘導を避け、中立的な立場で選択肢を提供する。④家族や多職種と連携しつつも「代わりに決めすぎない」⑤文化、宗教、障害特性など多様な背景に配慮する。
また、迷う場面では次のように整理せよとある。B案:①本人の価値観、②リスクと利益のバランス、③代替案の検討、④合意形成のプロセスとかが挙げてある。これらの基準を明確して、意思決定支援のやり方を行うと介護・福祉の場合、納得ある支援を行えると説明されている。
また意思決定支援にかなった行動としてC案:①本人が何を迷っているのかを整理する。②必要な情報をわかりやすく提供する。③選択肢のメリット・デメリットを検討する。④不安の怖さ、価値観、希望を言語化するのを手伝う。⑤本人のペースや理解しやすい環境を整える。・・・とある。
さて、どのような設問の仕方が今回のカメラ問題にピッタリとくるのかを私なりに考えてみた。そして、次のように設問をしたら今回の意思決定支援がスムースに行えるのではと思った。
私が考えた意思決定支援までの設問プロセスを以下に示す。
①この利用者さんはどんな人だろう?
お金の取り扱い感覚、自尊心、ノリ安いタイプ、理解度など。
②カメラを買いたいと言われたらどのような視点で購入すべきカメラを考えるか?
カメラで写したいものは何、写したフィルムはどのように保存するのか、アルバム作りは?お出かけするとき持っていくかどうか?機能的に優れたカメラで写す必要性は?等
③会話を通して適正なカメラをいくつか選び、本人と決定する。
高額カメラと普通のカメラの機能、撮り鉄になりたいほど、芸術性の高い作品に仕上げたいのか、メンテはどうするの?等
④カメラの選定が終わったら、決定したプロセスを記録する。特に、本人が理解し、決定したという結果を残す。
このようなプロセスを辿りながら、本人との意思合わせをしていけば、お互いに納得した意思決定支援ができるのではと思う。職員にはこのようなプロセスで意思決定支援を行えばよいのではと伝えたい。利用者が意思決定をする場合のスタンダードになると考える。このようなステップをたどることによって、落ちの無い意思決定支援でありたいものだ。
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