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【明石邦彦のつぶやき】「切れる脳」の裏づけ(前頭葉機能の低下) |
2026/8/25 |
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養老先生の4冊を一気に読み上げて、それぞれの本でのトピックスと思われるものを箇条書きにして取り出した。読み返してみると「切れる脳」に目が行った。自閉症や統合失調症の利用者を日頃から見ているだけに「切れる脳」となると注目せざるを得ない。先生の書かれている内容では前頭葉の機能の低下の結果だと記されている。機能の低下によって行動の抑制が効かないとされている。例えば、衝動的な殺人のケースを調べてみると前頭葉の機能が落ちていたそうだ。我慢できなかった結果だとある。また、前頭葉の機能低下は衝動的というのとは逆に、無気力になるようである。先生の話では普通は前頭葉で情報が折り返して運動野から最終的に筋肉に情報が伝わるとある。しかし、無気力の場合は前頭葉で情報の折り返しがなく、筋肉を動かすには至らない。動きが鈍いという無気力状態になることだと理解できる。脳となると専門性というか基礎的知識が私にはプアーなので、いささか正確性を欠くきらいがある。「間違いがある場合はお許し有れ!」
それはさておき、グループホームの利用者10名が、統合失調症やASDの疾患なので、抗精神病薬を使用している。抗精神病薬として旧来使われていた定型薬(第1世代)と新しく開発された非定型薬(第2世代)のどちらかを処方されている。最近では第一世代の薬は使われるケースは少なくなった。現在、主に使われる第2世代の抗精神病薬は作用機序の違いから3つに分類されている。作用機序の違いで、SDA系、MARTA系、DSS系に分かれている。このまとめは図1に提示したので、参考にしていただきたい。
利用者の多くは非定型薬剤であるリスペリドンかエビリファイを処方されている。リスペリドンは頓服として非常事態(症状を起こすものを直ちに遮断の性質を持つ。鎮静作用が強い)の時に使われるようである。なお、リスペリドンを常備薬として服用されているケースも多い。
一方、エビリファイは症状の長期安定化を図るために使われる。また、鎮静作用が弱いという点でも長期の予後、有用性を意識している薬剤だ。私の見立てでは若い人が服薬するケースが多く見かけられる。因みに、リスペリドン組(5人)の平均年齢と区分の平均を示すと年齢46.2歳、区分4.4であった。エビリファイ組(3人)は年齢35.3歳、区分5である。区分には大きな差異?が認められないが、年齢では10歳以上の差が出るので、有意差があると考える。
これら薬剤の作用を勉強すると多くはドパミンとセロトニンの神経伝達物質の量の調節にあることがようやく理解できてきた。三つ子の魂、ドパミンの働き、抗精神病薬との相互関係図が頭の中で固定概念として確立しつつあると言える。
さて、脳の前頭葉を調べると大脳の前方に位置する脳葉である。脳の中で、特に人間らしい高度な精神活動を担う領域であるとされている。前頭葉の中でも前頭前野は特に発達が顕著で、判断力や創造性、情動の抑制、社会的行動を司るとある。これは前頭葉が「人が人らしく生きる」ための中心的な役割を果たしているとある。そう考えると前頭葉の機能低下は判断力や社会的行動などが低下していることを意味している。
神経伝達物質であるドパミンやセロトニンは前頭葉の中でどのような働きを持つのかということと抗精神病薬でドパミンやセロトニンがどのように調節されているのであろうかという問題提起が私の頭の中で沸き起こった。色々調べてみるとドパミンが影響の大きい神経伝達物質ということを理解した。ドパミンの低下状態と過剰状態における抗精神病薬の処方を理解することが出来た。ADHDやうつ病、統合失調(陰性状態)の場合はドパミンが少ないので、ドパミンの分泌促進を図るために抗精神病薬が処方される。逆に、統合失調症(陽性状態)や不安症の場合はドパミンが過剰の状態であるためにドパミンD2受容体に抗精神病薬がくっつき、ドパミンの量を調節する。「なるほどね!」である。
以前、ADHDの人にギャンブル依存症が多いということを取り上げた。このメカニズムを考えてみるとギャンブルで儲けたときの快感(ドパミン大量放出)が忘れられず、ギャンブルを続けていくと刺激に鈍感になる。そして、快感を得たいがために繰り返すという依存性を持つということが素直に理解できた。好奇心を持ち、色々考察することは面白いことだ。現在、考察中の私の脳はドパミンで一杯だ。自分ながら新しいことを学んだということで神経細胞からドパミンが大量放出だ。
非定型薬の作用機序の色々
①②SDA/DSA系:ドパミンD2受容体、セロトニン5HT2受容体の遮断
③MARTA系:ドパミンD2受容体群(D2,D3,D4)、5HT2受容体だけでなく、
アドレナリンα1受容体、ヒスタミンH1受容体など多様な受容体を遮断
④ドパミン受容体に部分作動
1. 図1非定型抗精神病薬のそれぞれの特徴
2. 図2ドパミン放出と抗精神病薬のブロック(スマイルナビゲーター/大塚製薬より引用)
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