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あおぞらブログ


【明石邦彦のつぶやき】グループホーム(GH)利用者の服薬管理 2026/8/20
 2年ほど前から虐待防止委員会の委員長となり、GHの誤薬防止のためのマニュアル作りを指導してきた。なかなか誤薬が防止できないので、誤薬防止の服薬マニュアルについての雛形を作成し、誤薬しやすいチェックポイント等をあれこれ指導してきた。今年になり、ようやくマニュアルが完成した。私がマニュアル作りの中で大事に思った点は指差し確認と個人別の服薬管理表(写真付き)の完成である。この2点については薬剤師による誤薬防止の講演会でも強調されたことでもあった。
 さて、私の最大関心事はマニュアル完成の話だけではなく、GH利用者30名(現在29名)がどのような病気に罹患し、どのような薬を飲んでいるかである。罹患というだけではなく、幼少期から飲んでいる抗精神病薬や癲癇の薬の種類(作用機序が違うため)を確認するためでもあった。特に、抗精神病薬は我が子が自閉症という点もあり、第1世代、第2世代の薬剤が利用者でどのように処方されているのかを確認するためである。そこで薬の作用機序を意識しながら利用者一人一人にどのような薬が処方されているかを調べてみた。また、5月からサポートセンター(SC)の管理者を命じられた。GHではSCのヘルパー事業に関与されている方が多い。そのため、SCのサービス責任者がGHミーティングで「利用者を支援するための話」をする機会が設けられている。その場では熱中症や食べ物と薬の食べ合わせなどを話し、利用者支援の質アップに取り組んでいる。GHミーティングで共通の話題とするために利用者がどのような病気にかかり、それを克服してきたかを服薬管理表から読み取ることにした。特に、高齢の利用者の観察ポイントと病気との関係性を知るために、体の部位別の病気を意識して、病名と薬の一覧表を作成した。
 体の部位ごとの仕訳として、頭(精神性疾患と脳卒中系の2つに分類)、眼(白内障、結膜炎など)、耳(難聴、中耳炎など)、肺(肺炎、肺気腫など)、運動器(骨折、関節炎、パーキンソン病など)、内分泌(糖尿病、甲状腺など)、循環器(高血圧、高脂血、動脈硬化など)、口(嚥下障害、口内炎など)、鼻(鼻炎、蓄膿症など)、喉・食道・胃(咽喉炎、胃潰瘍など)、腸(便秘、大腸がんなど)、腎臓・泌尿器(頻尿、前立腺肥大など)、皮膚(水虫、帯状疱疹など)の14種類に分けて調べてみた。なお、風邪などの一時的に使う薬は持病の薬と違うので、種類分けから外した。
結果として利用者29名が126種の薬を常備薬(1か月以上使用など病院に通った実績がある場合とする)として使っていることが判明した。
 一人平均4.3種類の薬の世話になっている。なお、常備薬を使用していない利用者は4名であった。14分野ごとにまとめてみると、3つの分野の病気(精神系薬、循環器系、皮膚病)が多く、72%を占めていた。それぞれ%を示すと精神系29%、循環器系21%、皮膚病22%である。(図1)
6カ所のGHごとに病気の傾向を見ると、抗精神病薬ではみやこ(MY)は7人中5人が使用、ウイズ(WI)は4人中3人である。もともと設立時から精神的な病気を持つ利用者(統合失調、ASD、癲癇)が多かったことにもよる。ボイス(VO)は皮膚病関係(5人中5人)の利用者が多く、全員が皮膚病を持ちまわっているような傾向である。VOの一人当たりの薬の種類数は他のホームに比べて約2倍の数(7.8種類)となり、皮膚病での受診が多いことに由来する。利用者から「かゆい、かゆい」と言われると世話人は病院の皮膚科に行かざるを得ないような関係が出来ているようだ。循環器系(高血圧、高脂血)では各ホーム一定数の人が満遍なく受診し、薬を処方されていることがわかった。(図2)
 最後に、皮膚病などで塗布する薬もあるが、処方されている薬を一人当たりどれくらい使っているかを個人別に調べてみた。何も飲んでいない利用者から10個以上の薬を処方されている利用者を4つの区分に分けて表示した。10個以上処方されている利用者は3人であり、最高は13種の薬が処方されていることがわかった。(図3)
また、統合失調症や癲癇の利用者では薬の作用機序の違いで、使い分けが行われていることを知った。
 例えば、統合失調症(自閉症スペクトラム含み)の利用者を例にすると第1世代のセレネース(ドパミンの働きを整える)と第2世代のリスパダールを処方されている利用者がいたし、第2世代の薬を2種類使う利用者もいた。その方は作用機序が違うリスパダール(SDA系で鎮静作用が強い)とDSS系で鎮静作用が弱いレキサルティを使っていた。
(図4にSDAやDSSの説明があります)
 更に、癲癇薬の使用について調べてみると部分発作の第一選択薬テグレトールと全般発作の第一選択薬(デパケン)を使っている利用者がいたし、部分発作の薬を3種類使う利用者もいた。
同様に、高血圧症や高脂血症においても作用機序の違う薬を併用している例が散見された。どのような理由でその薬を使うのか、先生の考え方を聞いてみたいものだ。
 このようなことが調べられるのも個人別の服薬管理表が完成したことだ。私はGHの部外者(虐待防止委員会の委員長やSCの管理者)であるが、服薬マニュアルの作成に口を出した結果だと考える。上述のように自分の興味で色々調べて分かったことはGHにフィードバックして利用者支援にお役立て出来れば幸いである。


   



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