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【明石邦彦のつぶやき】ナラ菌を媒介するキクイムシの話 |
2026/7/7 |
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7月の頭に大菩薩に虫取りに出かけた。幸いに梅雨前線が日本列島の下の方に停滞してくれたので、昨日に続き、天候は晴れだった。午後からは曇りとなったが、大菩薩と大峠までは本降りとはならなかった。ペンションすずらんに向かう途中で、道路わきにビニールシートで覆われたものがあり、なんだろうと思いながらも虫に集中した。このシートは道路から離れた場所にあったので、中身が何なのかを知ることはできなかった。最初はシイタケの原木でも入れているのではと思ったが、上から覆ってあるので、変だなとは思った。
さて、肝心の虫の方は虫が集まる花が端境期ということもあり、さっぱりだった。しかしながら、道路下のオニグルミを掬ってみたら偶然にも黄色が鮮やかなオニグルミノキモンカミキリがとれた。昨年は下部温泉でも採集したので、特別の思い入れはなくなったが、最初の一頭は大型で、黄色の色が鮮やかであった。そのために、ついつい何度も長竿を振ってしまった。後で採れたものは小型のものばかりであった。あまり長居をしてはと思い、大峠に向かった。そうしたら、いたる所に例のビニールシートで覆われたものが出現した。
帰りに確かめようとして虫取りに精を出した。猪塚の所にあるハルニレの木でいつものようにヒゲナガシラホシカミキリをいくつか採集した。ガスがかかってきたので、2時過ぎをもって打ち切りとして、帰宅することにした。
帰りにビニールシートを確認した。いくつかは風雨で破れていたが、○○キクイムシとクビアカツヤカミキリとあり、枠内に燻蒸中であるとされていた。後で調べてみると○○はカシノナガと思われた。そして、この梱包物はキクイムシの蔓延を防ぐためにカーバム剤で燻蒸していることが分かった。燻蒸作業であるから燻蒸するガスが外に漏れないようにシートの末端は10cm以上の深さで埋めるという工夫がされていた。また、立ち枯れの木の根元もシートに覆われているものもある。キクイムシを撲滅するために、木を伐り細かくして、チェインソーで切り込みを入れたり、薬液を注入したり、燻蒸までの作業は大変な労力があると知った。キクイムシが「ナラ枯れ」の原因とは知ってはいたが、このように燻蒸作業まで見るのは初めてであった。改めて、ナラ枯れの発生メカニズムを学ぶことになった。(林野庁などの報告書を参照)6~8月に枯れた木からキクイムシが飛び出し、老衰したナラの木に侵入し、オスを呼び寄せ、その木に産卵する。メスのキクイムシは背中にナラ菌を持っているので、樹の体内でナラ菌が繁殖し、樹の導管が目詰まりし、樹の隅々まで水が回らなくなる。いわゆる通水障害が起こり、しおれ始めて、樹は1~2週間で急激に枯れるそうだ。そして、このようなサイクルの繰り返しで、森林にあるナラの木の多くが立ち枯れし、森林被害が拡大するといわれている。また、シート上の紙に書かれていたクビアカツヤカミキリも「ナラ菌」が付着している?ので、対象となっているのかしらと思った。このカミキリのナラ菌の件は確認していない。
私は去年からコナラなどの立ち枯れが多くなったことに気が付いていた。立ち枯れを見つけては、来年はどのようなカミキリムシが飛来するかを調べてみようと思った。大型のシロスジカミキリでも見つかると楽しいなと考えた。しかし、立ち枯れの木を伐り、シートをかぶせて、ナラ枯れを防ごうとする林業の人たちの努力を見ると「シロスジカミキリ等を取ろう」という私の考えは大変失礼なことだと反省した。ちょぴっり恥ずかしい!
写真1.カシノナガキクイムシ 2.クビアカツヤカミキリ
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