社会福祉法人 あおぞら共生会
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あおぞらブログ


【理事長 明石邦彦のつぶやき】忘れ物は記憶が頼り!② 2018/6/29
 前回竿をなくした話をしたが、その詳細について少し述べてみたい。彼の記憶があいまいなことに今回の旅で気付かされた次第です。
まず、部屋の鍵の紛失騒動である。夕食前に宿のお風呂でひと汗流そうということになり、二人で入浴することにした。鍵は出ていくときはロックがかかるので、入浴する際は持って出なくてはならない。彼が部屋の鍵を閉める役となり、二人でそろって入浴した。お風呂は4-5人くらいが入浴できる広さで、誰もいないので、ひと風呂浴びるのは最高だ。すずらんでは登山後の入浴者も多いとのことである。入浴後、衣服をあらためて、部屋に戻ろうとすると「籠の中に入れていた部屋の鍵がない」と彼が騒ぎ始めた。「部屋に置き忘れてきたのじゃないかな」と答えたら、彼は「そんなことはない。持ってきた。」と強く主張する。「そうかな?」と思い、「とにかく合い鍵をもらってきて。」と彼に頼んで、部屋の前で待つことにした。「宿の人がもう少ししたら持ってきてくれる。いま鍵を無くした人がいた。見つからなければ罰金を払わねばならないと言われていた。」との報告があった。私は「部屋の中に忘れたと思うので、罰金はないよ!」と安心させた。宿の人がきて、部屋の鍵を開けてくれた。中に入り、確認すると彼のスマホ(ゲーム中)の横に鎮座していた。何のことはないじゃないかである。その時に気が付いたのであるが、彼は記憶が曖昧になる特質を持つ人だと理解した。それにしても鍵を持って出たという強い主張は何だったのだろう。これが竿を無くす伏線であったとは後の祭りである。
 次の日、上日川峠まで出かけて採集を行った。ただ、太陽が射し込んでいる時は温かいが、依然として昨日の寒さが残っており、夜に降った雨でムシの動きが悪いことを確認できた。特に、いつも張り切っている彼はなかなかムシが採れず、少し投げやりの状態であった。ようやくピドニアをつかまえることができたが、彼にはスイーピングが不得手というよりムシがいない状態ではやる気が湧かないのであろう。今まではムシの数が多い経験ばかりであったが、ゼロの経験に面食らっているのだろう。ソリダの丘で風の通り道の葉でシロトラカミキリを採り、落ち着いたようである。それぞれが違う場所でムシを捜すことにした。私はピドニアしか採れないので、午後1時のバスで帰ることに決め、ソリダの丘に戻ったら彼がいないので、捜し回った。11時15分頃ある。そうすると彼がソリダの丘に顔を出し、「11mの竿を袋ごとなくした」とのことである。私が「ソリダの丘まで持ってきたの?」と詰問すると「持ってきた」とのことである。「それじゃー、どこでムシを採ったの?」と聞くと「ここだ」というのでソリダの丘に限定して笹の周りを捜した。昨日のこともあるので、前の採集場所(500m下)の所迄も捜すことにした。その結果、その場所に竿はなかった。彼に「一足先に行って、ソリダの丘を捜すように」と頼んだ。私には「登りはきつい」の一言である。元の場所に戻り、もう一度確認したが、ないことに間違いはない。また、「そういえば木道の所にも行った記憶がある」との新たな発言である。高橋さんには引き続きこの場所で探してもらうことにし、私が木道までの道を確認することにした。「ないよ。本当に行ったの?」と確認すると「ウーン、昨日のことだったかな」との返事である。これでは埒が明かず、一応ロッジ長兵衛で昼飯を食べることにした。早く出てくるざるそばを注文した。彼は私より早く食べ終わったので、「バス停前の椅子に荷物を置いて、竿を捜しに行くように」と指示した。私は食事を終わって小屋を出た。彼の荷物がないので、タバコでも吸っているのかなと思った。小屋の左側に行くと彼がいた。彼は薪ストーブ用に積んである薪の上を見てカミキリを捜していた。「おいおい、ムシはいいから竿だよ!」とあきれた。彼は急ぎ現場に戻っていったが、やれやれである。私の指示よりムシが優先である。彼を叱ることはしなかったが、細かなことに気が付くということは彼には無理があるのではと思い、失敗しない方法を考えねばならない。定まった地点で虫を採るときはリュックや予備の竿は必要がないので、一塊に纏めて置き、そしてムシを採るように教えなくてはと思った。また、2人で一泊旅行をする時の注意事項も必要だ。彼はポケットから毒瓶を落として割った事もあるし、直径70cmのネット(4つ折りで長さ50cm程度)を小さなリュックに入るようにギュウギュウと押し込み、取り出したらフレームの留め金が破断していたこともあった。彼との一泊旅行は荷物が多く入るようなリュックが必要ではと思う。家にある40L容のリュック(縦長で50cm以上ある)を差し上げて、ネットの破断を避けるとともに、私が用意する採集用具の一部を持ってもらえばよいと考える。私のような年寄りが彼より大きな荷物を持っているのも不自然だと思えた。そして、11mの竿の紛失については「次に来た時に捜しましょう!」という私の一言で安心したのか、彼はバスの中で眠りに落ちていった。私はあきらめて、「しょうがない。彼には珍しいカミキリを5匹か、6匹採ってもらおう。また、11mの竿は使いにくいから無くてもよいか」とした。昆虫採集行にこんな事故はつきものと頭を切り替えると今回の彼の行動に自然とおかしさがこみ上げてきた。

*ソリダの丘:オオホソコバネカミキリ(Necydalis solida)が採れるブナの立ち枯れがある
ために日大の学生たちが名付けた丘(ロッジ長兵衛のブログ作成者から聞いた話)

写真:①ソリダの丘の語源 ②右の竿が11m ③ドンマイ!ドンマイ!





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