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【理事長 明石邦彦のつぶやき】 養殖技術の進歩 2017/9/11
 NHKニュースでタイラギ貝の幼生が培養のコツで養殖できたことを報道していた。昭和30年代に有明海で潮干狩りをしたことを思い出した。船を一槽借り切って、親戚の人たちと一緒に海を楽しんだ。満ち潮の時はタコや魚をとり、船の中でそれらの刺身を食べたように思う。ご承知のように有明海は干満の差が大きく、干潮の時は広大な干潟が現れる。船は動くことはできないので、みんな船を降り、潮干狩りである。今考えるとタイラギ貝を鍬で掘った。その他に赤貝がとれ、アサリは大変少なかったように記憶している。船には黒光りする3角形の大型貝が山のようになった。この貝のビラビラには興味ないが、貝柱が立派である。そういえば、いつの間にか店頭で見る機会はなくなった。ニュースでは全盛期の数百分の一に数量が激減していると伝えている。瀬戸内海にもいるのは潜水服を着ての漁で分かっていたが、こんなに激減しているとは知らなかった。また、以前は潜水士がサメにより襲われた被害もあり、貴重な資源であることも知った。いまは貝柱といえばホタテ貝である。これがポピュラーになったのは養殖が成功したためである。一方、タイラギ貝の貝柱は高級料亭で提供されるくらいなのであろう。すっかり味も忘れてしまった。
養殖のポイントはタイラギ貝の幼生は粘着性が強いためエアポンプの泡に吸着し、えさであるプランクトンを捕食できなくて、死滅すると説明されていた。そこでスクリュー式の装置が導入されたが、今度はスクリューが高速で回るため、多分せん断力が働き、細胞を壊すことになって、死滅したのだろう。そのために、ゆっくり回転するプロペラ式の装置を開発したとある。
この話を聞いた時に、まずは幼生が泡に吸着することを発見した事実が重要で、泡を発生させず、酸素供給が十分で、プランクトンを捕食できる技術開発ができればよいと考える。
それには、酸素供給が十分になされ、動物細胞が壊れない細胞培養装置の考え方を入れれば問題解決できるのではと思った。細胞培養装置は無菌性を重要視するので、コスト的には厳しいが、プロペラ羽根をステンレスからプラスティック製品に変えれば適用できる。装置もプラスティックでよいし、生じた泡があれば食添用の消泡材で泡消しをすればよいと考えた。このようなことはわれわれ発酵家からすればたやすい発想のようにも思われる。
 別にけなすわけではないが、先達の技術蓄積の上に自分たちがいることを踏まえると、技術情報としての文献検索能力が改めて問われると考える。それにしても朗報であることには間違いがない。ホタテ貝なみに店頭に並ぶ時代が来ることを期待したい。
写真①タイラギ貝 ②貝柱 ③ホタテ貝





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