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あおぞらブログ


【理事長 明石邦彦のつぶやき】 メンタルヘルス研修 2018/12/27
 久しぶりにメンタルヘルスの研修を受けた。職員がパワハラなどのハラスメントの時代に即して研修が必要であると感じたからだろう。最近はストレスの多い社会である。労働者の6割がストレスを感じているそうだ。仕事の質と量、仕事の責任、対人関係の問題が多いようだ。法人内でのこの手の問題は仕事の質・量や責任問題より圧倒的に対人関係によるところが多い。他人との良好な関係の中で伸び伸びと才能を発揮してもらいたいが、なかなか思うようにいかないのがこの社会である。人との接し方は難しく、自分の価値基準の変更を求められる場合が多い。人間としての成長を促されるからである。小さなプライドに固執すると破局になり、最後は「さようなら」とジョブホッピングになってしまう。自分を大きく変えるチャンスであったかもしれないが、大成していく自分を感じることもなく、低次元のままに時は過ぎていく。とても余裕ある人生に行きつくことはないだろう。あまりにも切羽詰まっていると己を変える実践書などを読む気にもならないだろうが、自分の現在の範囲を超えることを目指している人には何らかの指針を与えてくれる。自分の考え方に固執したりせず、相手の立場に立ってものを考えてみるなどの余裕がないと良好なコミュニケーションは期待できないものだ。
 私はストレスを感じても一晩眠れば、気分が変わり、新しい展開を考える余裕があった。疲れた脳を睡眠で回復させることができれば大きな問題は生じない。相手だって、問題解決の場で命まで取ろうという場合は少ないはずであるという開き直りである。例えば、上司から「成果が上がっていない」と、ネチネチ責められても睡眠さえ十分にとっていれば、頭の回転は鈍らないものだ。私はあまり仕事のことで悩んだことは少なく、課題を与えられればこなしていたように思う。むしろ他部所でトラブルがあると解決のために「一時本業はお休み」で解決に当たらせられた。しかしながら、頭がぼんやりして思考能力がどん底まで落ちたのが一度ある。それは経営企画部で10ケ年計画を北米や南米の工場や事務所に説明に行ったときのことだ。北米2か所、南米ではブラジルの3か所を訪れた。子供のことで妻に負担を掛けたくなかったので、時差を考慮することなく、1週間で帰国するというスケジュールを組んだ。毎日宿泊場所が違った。計画の説明と討議を現地の人を含めて行ったためにエネルギーを膨大に消費した。最後のリメイラの工場では訪問のご挨拶を工場訪問日誌に書き込んでいたら、頭の整理がなかなか出来なくて、とりとめのないようなことを書き残した記憶がある。この時初めて頭の回転がストップする状態とはどんなものかがわかった。後に同僚から海外に説明に行くときはゆったりしたスケジュールを組むものだと教えられた。
 さて、会社の第一線から外れ、顧問をしていた時に昔の部下が鬱状態となり、その問題解決のために相談を受けたことがある。当時はパワハラ騒動とかは仕事ができない者の悩みではないかと思っていたが、福祉の世界に入ると見方が随分変わってきていた(顧問時代は法人に勤務しながら、会社には1回/週くらい出勤していた)。自分より弱い立場にいる部下に対してネチネチと責めることは酷であり、人間の尊厳を侵す行為にも思えるようになった。話の内容を聞くと上司のパワハラが原因と思われた。皆の前で、大きな声で仕事の責任でも問われたのであろう。昔の上司にはこのようなタイプが多かったように思うが、部下を失うことは会社にとって大きな損失である。そこで、上司が異動した新職場の情報を取ると同様な事件が起きていた。一人が退社、鬱のように精神状態が悪い人が2名ほどいるというような情報をつかんだ。顧問の立場では直接動けないので、所轄の長(役員)に連絡し、事態の把握・確認とその後の処理を依頼した。最終的にはパワハラ行為に対しての注意が元上司にあり、部所の異動が行われたとのことであった。人に任せた解決であったが、部下のためにはほっとした経験であった。法人内でもそのような経験から私はパワハラには注意をしているが、ついつい本音が出たりすると直ちに反省がいくような脳内構造になっている。口には出さないが、Feed Back機構はいつの間にか頭の中に形成されているようである。また、このような不適切な行為を打破するためには「さん」付け運動というのは効果が高いという思いがある。それは社長自ら「役職名で呼ばないで、さん付けでいこう」と提唱されたことがあった。上司と部下の垣根を飛び越えて、相互信頼や意思疎通の滑らかさをもたらす道具にしようとの意図であった。私は社長や役員であっても人間としては対等なんだと考え、自由に自分の発想や意見を申し上げることができた。肩書には拘泥しなくなり、社長に感謝である。
 さてさて、福祉の業界では利用者や支援者はナイーブな感性をお持ちの方々である。そのようなことに理解がおよばず、ついついハラスメントまがいの言葉遣いになることが多い。心優しい人が勤める業界であると思うと「対人関係で悩むのはむべなるかな」である。企業に比べて福祉の業界では鬱病発症者が多いなと思うが、的外れであろうか。こんなことを思い浮かべながら熱弁を振るわれている講師の方の金言を拝聴した。

写真:①ストレス社会 ②どちらかな。悩んでしまう!


 



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