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あおぞらブログ


【理事長 明石邦彦のつぶやき】道連れ自殺はやめてほしい 2022/2/15
 訪問看護の先生が猟銃で撃たれて、即死した。また、理学療法士や介護福祉士の人も巻き込まれた事件である。なんとも言いようのない、痛ましい事件だ。加害者が1日前に死亡した母親の蘇生をお願いしているのを知るとなんだか変だ。また、加害者が行政にクレームしている件数も半端ではないことが分かった。当然のことながらそのような評判は事件に巻き込まれた関係者に届いていたものと考えると警戒しての対応が必要だったのだろう。人の好い先生はそれなりに心を込めて対応したのであろうが、犯人はそのようなことにかまわず、人生に悲観して道連れにしたものと思われる。よくはわからないが、母親がなくなると生活が成り立たないことによると言われている。いわゆる、母親の老齢年金などで生活していたパラサイト生活とも考えられる。世間でいう9060問題であるが、貧困という問題が絡まっている。まだ、60歳代であるから働くこともできるであろうし、残された財産を処分した後、お金が無くなれば生活保護の手もあったのではと思われる。そのような生活を周りでアドバイスする人はいなかったのであろうか。3年ほど前に引っ越してきたというので、前の生活場所ではどのような生活をしていたのであろう。また、殺害に使用した猟銃の取得についても前金渡しで所有できるのか判然としない。常識的にはわからないことが多い事件だ。最近、人を道連れにして自分の人生の終わりを希望する者が多い。世の中は何かズレているのではないか。コロナ禍で閉塞感があるにしても人種差別やヘイト発言がまかり通っているようだ。弱肉強食の世界観が漂っているようにも思える。なんともすさんだ世の中になってしまったものだ。
 さて、私たちは訪問看護というとプラスのイメージであり、大いに助けられる世界でもある。携わる先生(主治医)のご努力には感謝と尊敬の念が湧いてくる。先生に携わっていただいてから高齢者介護の学びを深めることができた。私の身近な例は70歳を超えたグループホーム利用者への訪問看護導入であった。利用者は70歳を過ぎてデイサービスを利用していたが、色々な病気を併発して、ついには歩行もままならずとなった。更に、急な発熱などで入院する際は先生自らのネットワークを使い、救急車に適切な病院を紹介していただいた。また、夜中に急な症状が出た場合、先生に問い合わせると夜間にかかわらず適切なアドバイスをくれてありがたかった。なお、利用者が寝たきりになり、グループホームでの昼間の介護は負担が多く、採算性もむつかしいと判断された先生は次のステップとして老人介護施設を紹介してくれた。かつ、利用者の兄弟を集めて病状を説明して、同意を取りつけ、次の道を示してくれた。このことは高齢となった利用者への次の道筋を教示され、法人としての選択肢が広がった感がする。
 今回、不幸にも亡くなられた先生は多くの患者の支えになっていたことであろう。その地域としてはかけがいのない人物を失ったと思われる。そういえば、大阪の放火事件も相談支援の先生をはじめ、多くの患者が道連れになった。先生のひたむきな努力が無残にも打ち砕かれた次第である。お金がないことは人生の終わりではないと思う。つつましやかな生活を望めば生活保護で保証される。決して恥ずかしいことではないように思うのだが。

画像:役に立つ訪問看護制度


   



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