社会福祉法人 あおぞら共生会
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あおぞらブログ


【理事長 明石邦彦のつぶやき】本年最後のコブ拾い 2020/10/7
 コロナ騒動のために遅れていた「フジコブヤハズカミキリ」の採集を10月3日に実施した。秋シーズンでの最後の採集行である。1か月遅れでの採集なので、参加者の競争心を盛り立てるために何枚かのビラを作り上げ、準備した。昨年、すずらん昆虫館の澤井館長からお教えいただいたマルバダケブキ(ダケブキと略称)の場所は19号台風で林道崩落となり、全面通行止めになっている。その場所では採集できないので、新たな場所の開拓が必要であった。夏の事前調査ではタケブキの黄色の花の群落を何ケ所か見つけていたので、その場所で地道に虫を探すことと道路わきの新たな場所を探すことを意識して出かけることにした。また、素手で採ろうとすると「フジコブヤハズ」は落下しやすく、枯れ葉の中では見つけにくい。そのため、ダケブキの枯れ葉ごと掬えるようにと直径36~42cmの小型の網(短い棒付)を6本ほど用意した。採り方は現地で実地指導することにした。昨年の経験ではカラマツ林+ダケブキ+クマザサが採集地としての必要条件であると考えられたが、今年はその検証も採集の目的の一つである。昨年の台風19号でいくつかの林道は閉鎖されているので、10月現在どうなっているかの確認も必要であった。事前の調査によると、塩山側からロッジ長兵衛への道(県道201号線)は10月1日に通れるようになった。また、砥山林道の大菩薩湖北岸まわりは一部規制が解かれたとのことである。しかし、夏に使えた湯ノ沢峠に向かう焼山沢真木林道(真木林道と省略)は道路の陥没、洗堀補修のため全面閉鎖である。ただし、真木林道と連絡する一の平林道は通れるので、県道218号線まで引き返せばダケブキ群落地までは行けそうである。しかし、事前に見つけておいた真木林道の2ケ所の群落には行けそうもないことがわかった。また、採集地までのアプローチはいつものすずらんに向かうコース(県道218号線)か、塩山側の県道201号線かを前日までに決めようと思った。
 当日はいつものようにAM5:30に我が家に集まり、6人での出立となった。今回は「フジコブヤハズ」しか採れそうもないので、久しぶりに参加した福田さんには夏場の宿泊の方が楽しいと推奨した。なぜなら、皆さんはクワガタムシに触れることが最大の楽しみのようにも思えるからである。勝沼までの高速道路を通りながら今回は県道201号線を選択することに決めた。なぜなら、台風19号以来、閉鎖になっていた道路の周りはどれくらい倒木や伐採木があるのかを把握するためである。来年度はそれらの倒木に虫が集まると期待できるからだ。丸川峠の道では窓を開放し、おいしい空気を車内にとり入れながらダケブキがないかを捜した。ロッジ長兵衛まで調査したが、残念ながら県道201号線ではダケブキの群落は見つけることができなかった。ロッジ長兵衛に着くと登山客であふれていた。駐車場3つは満杯で、道路脇に交通整理の人が出て車を誘導していた。初めて見る光景である。まさにGO TO・・の影響の大きさを垣間見ることができた。路肩に車を停め、捕虫網などを6人全員に渡し、虫採りの格好をすると登山客から怪訝に思われるので、小さな網を2本持って人目を避けながらダム湖が見える木道を歩き、最終地点にある4-5本のタケブキを掬うことにした。早速、網で掬っていた林さんから「採りました!」との声が上がった。やはりこの時期でもいるのだとなり、観光客の多いところは避けて、違う場所への早目の脱出となった。さて、この時期はダケブキの黄色の花は枯れて、茶色の茎と花になっている。車の中から一瞬で「ダケブキであるかどうか」を判断するのは相当難しいことと思われた。交通量の多い県道218号線では花を見つけるために徐行すると後ろからせかされそうである。なるべく脇道にそれての採集を心掛けなければならないと思った。その後、218号線を外れてダム湖北岸にある親水公園の所を通り、砥山林道の通行止めの広場まで行ったが、この広場にも結構車があり、登山客がかなりいた。道路には大きなもみの倒木があったが、タタキ網を使うのは恥ずかしいので、人が来ない湖岸のダケブキを捜すことにした。窓を開けて捜すと道路わきに枯れたダケブキの花があるのを見つけた。車をバックさせてもらい、車から降りてガードレール下をみるとかなりの群落があることがわかった。カラマツ林のダケブキである。クマザサはない。6人で捜したらまたも林さんの声が響いた。私もようやく小さなオスを取り、元の道路に上がってきた。菅原さんもようやくとれたという話である。しかるに、林さんは6頭も採っていた。熱心さの違いである。なんでも枯れ葉を網に入れて葉を握りつぶすほどに細かくして見つけるようである。やはり工夫する人はそれなりの成果が上がるということを立証したように思えた。次に、一の平林道に行く前の県道218号線の崖の上に群落があることは調査済みであるので、そこを捜した。採集数トップの林さんの指導の下に、採っていない人を中心に捜してもらった。ようやく福田さんから「採りましたよ」との声があがった。車の往来があるので、ここを早めに切り上げて、一の平林道の2か所を目指して車を走らせた。どちらも、カラマツ林の中にあり、夏場に目をつけていた場所である。平坦なくぼ地の群落で9頭、斜面の群落で8頭の採集ができた。今まで採れていなかった高橋さんは斜面の所でようやく初採集である。合計17頭の戦果を挙げたので、昼食をとるために意気揚々とすずらんに向かった。レストランの奥様に「27頭採りましたよ」と報告し、一番の戦果を挙げた林さんが昆虫採集ノート(すずらん備え付け)に書き込みをした。また、奥様には副理事長から託された本などをお渡しした。菅原さんは奥様の許可をいただき、ハーブを持ち帰った。これからも共生会とのつながりが深まることを願っている。昼食後、源次郎岳の展望台まで出かけた。車から降りると「理事長の網の中に1頭いるよ」との報告があり、28頭目となった。その後、林さんが1頭を採集した。「30頭になったら帰りましょう」ということにして、最後の1頭を争った結果、須賀さんがラストを飾る本日2頭目(彼の採集頭数)を採集された。計30頭という結果となったので、満足しての早目の帰宅となった。
 さて、虫の採り方で分かったことがある。昨年の9月28日は気温が高かったので、ダケブキの枯れ葉でも地面につかないようなところに「フジコブヤハズ」がいたのを確認したのだが、今回は地上近くの枯れ葉にいることが多かった。外気温が低いため、枯れ葉の中で暖を取っていると考えられ、地面にテントのように突き出した枯れ葉に中にくるまっているのを採ることが多かった。枯れ葉の中には1頭しかいないようである。昨年は枯れ葉の中でもクマザサの上に出た枯れ葉に2頭いる例があったが、今年は皆無である。また、カラマツ林の中のダケブキにいたのが27頭、ブナ林の中のダケブキで3頭の確認となった。大菩薩ではブナをホストにするよりはカラマツをホストにするのが多いのではと思われた。なお、クマザサは採集のための必要条件ではなかった。 いずれにしても30頭という戦果を打ち立てての締めとなった。来年度はまた仲間と楽しくやりたいものだ。帰ってきて虫をパラフィン紙に収納したときに思ったのだが、毒瓶が小さかったと感じた。たくさん採れると考えていなかったので、小さな毒瓶を使ってもらった。その結果、毒瓶の中で苦し紛れに他人のひげを切ってしまったようである。これは今年の反省材料の一つである。

写真:1.フジコブヤハズカミキリ 2.マルバダケブキ 3.枯れ葉のテント 4.マルバダケブキの群落


   



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